腹部の痛みがまったくないにもかかわらず、突然多量の出血があった場合前置胎盤の可能性があります。初産より、二度目、三度目のほうが前置胎盤は多くみられます。また、人工中絶をたびたび受けた人も発生の確率が高くなります。
通常、受精卵が着床してできる胎盤は子宮の上のほうにあります。これは胎児が子宮から出るのに邪魔にならないからです。ところが、前置胎盤になると、胎盤が子宮口の一部あるいは全部を覆ってしまいます。
前置胎盤は超音波検査で診断することができます。ただ、妊娠初期に胎盤が下のほうにあっても、子宮が大きくなるにつれ上に移動する場合が多く、妊娠中期までは診断を下しません。前置胎盤であるという診断は胎盤の位置がきちんと決まる妊娠27週以降になされます。
前置胎盤の症状
妊娠中期以降、腹部の痛みがないにもかかわらず、少量の出血を繰り返したり、陣痛がないまま大出血を起こしたりします。その一方で、妊娠後期まで出血などの異常がみられない場合もあります。
基本的には、まず少量の出血を繰り返し、突然大出血が起きる、というパターンになります。妊婦健診で「前置胎盤」と診断された人は、最初の出血の時点で受診するようにしましょう。
前置胎盤の原因
前置胎盤の原因は、受精卵が子宮の下のほうに着床し、そこで胎盤が形成されてしまうことによります。その他、子宮筋腫や子宮の形成異常、受精卵そのものに原因がある場合など色々な説もあります。いずれにしても母体側に原因はありません。
少量の出血の原因は、大きくなった胎児が子宮口と胎盤を圧迫することにより、徐々に胎盤が子宮から離れていくために起こります。大量出血の原因は、子宮収縮によって胎盤と子宮壁がずれ、血管が損傷を受けたためです。
前置胎盤の種類
前置胎盤には以下のように三つのパターンがあります。
辺縁前置胎盤
胎盤が少しだけ子宮口を覆っている状態です。経過が順調な場合は、自然分娩の可能性もあります。
部分前置胎盤
胎盤の一部が子宮口を覆っている状態です。辺縁前置胎盤より、胎盤が子宮を覆っている割合が高くなります。この場合、出血の量が多くなるため、帝王切開の可能性が高くなります。
全前置胎盤
胎盤が子宮口を完全に覆っている場合です。全前置胎盤の場合は、たとえ出血がなくとも、帝王切開になります。
前置胎盤の治療法
出血が少なく胎児が未熟で出産しても生命維持が困難な場合は、入院して安静を保ち、子宮収縮抑制薬と止血剤で治療し、胎児が成長するのを待ちます。
胎児がある程度発育している場合や、胎児が未熟でも大出血によって母体が危険に曝されている場合は、帝王切開を行います。
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